「スマホカメラの写真に物足りなさを感じている」「もっと高画質の写真が撮りたい」
そう思う人は多いのではないでしょうか?ここ数年、スマホカメラの性能は大きく向上しました。誰でも気軽にきれいな写真が撮れるようになりましたが、そのスマホカメラの性能を大きく上回るのがデジカメです。
充実した撮影モードを備えており、自分の持つイメージをさらに追求することが可能。一眼レフで、レンズを付け替えて思い通りの写真が撮れるのも大きな魅力です。
スマホカメラとデジカメはどこが違う?
最大の違いはイメージセンサーの大きさ
スマホカメラとデジカメの最大の違いはイメージセンサーの大きさです。
イメージセンサーとは、カメラの「目」のようなもの。レンズを通して捉えた光を電気信号に変換する撮像素子のことで、イメージセンサーの面積が大きいほど、高画質の写真が得られます。
以下の図は、イメージセンサーの大きさを比べたものです。一般的なスマホカメラ(一番左の写真)と一眼レフに多いフルサイズ(一番右の写真)では、実に面積が30倍もの開きがあります。
※フルサイズとは、フィルムカメラの時代、もっとも一般的だった35mm判というフィルムのサイズのこと。デジカメ化された現在も、一眼レフはフィルムサイズに準じた大きさのセンサーを採用しています。
(出典=SONY)
画質の違い
イメージセンサーの大きさによって、写真の画質は大きく変わります。
上記でもお話ししたとおり、イメージセンサーが大きいほど、多くの光をカメラに取り込むことができるのでイメージセンサーが感知する情報量も格段に増えます。
その結果、スマホカメラでは再現できなかったシーンも、デジカメでは再現が可能になるのです。
ここで大事なのが「画素数」。聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
次項で、この画素数とイメージセンサーの関係についてお話しします。
イメージセンサーと画素数の関係
イメージセンサーの表面には、小さな点が縦横に並んでいますが、この点が光を受け入れるための「画素」と呼ばれる受光素子で、その数が「画素数」です。
イメージセンサーは、いわばデジカメの「目」にあたり、画素は目の「網膜」にあたる部分。画素の数が多いほど、より多くの情報を捉えることができます。
例として、4000万画素のカメラの場合、イメージセンサー上に4000万個の画素が配置されています。画素数が多いほど、性能が良く高画質の写真が撮れると思っている人も多いでしょう。
たしかに間違いではありません。ただ、単に画素数だけ高ければよいというものではないのです。前項でもお話ししたイメージセンサーの大きさが画質を左右します。
スマホの小さなイメージセンサーに4000万もの画素が、ぎっしり詰め込まれているのに対し、フルサイズの大型センサーでは、一画素あたりの面積も大きいため、スマホでは光を拾えない箇所が出る一方で、フルサイズは大きな画素全体で光の情報を捉えやすくなるので描写力にも大きな差が出ます。
以下の写真は、夜の東京スカイツリーをスマホカメラと一眼レフで撮り比べたものです。
スマホカメラで撮影 アンテナの最上部が白く飛んでしまいました。 | 一眼レフで撮影 アンテナの最上部がしっかり描写されています。 |
いかがですか?ライトアップされた最上部のアンテナをご覧いただくと、違いが一目瞭然なのが分かります。(撮影=筆者)
デジカメの種類
デジカメには、3つの種類があります。ここではデジカメの種類と用途をご紹介しますので、あなたに合ったカメラを見つけ出す参考にしていただければと思います。
コンパクトデジタルカメラ
コンパクトサイズのデジタルカメラのことで、略して「コンデジ」と呼ばれて親しまれています。
昨今のスマホカメラの高性能化にともない、最大の打撃を受けたのがコンデジ市場でした。
メーカー側もスマホカメラには勝てないと判断し、コンデジから撤退する向きがある一方、縮小されながらもまだまだ健在!
コンデジに共通するのは、スマホとの差別化。各メーカー共、たくさんの機能を盛り込んで発売しており、性能も使いやすさもスマホカメラを上回るものばかりです。
一眼レフ
一眼レフの「一眼」とは、撮影用のレンズ(眼)とファインダー用のレンズが、ひとつであることから一眼と呼ばれています。
そして、一眼レフの「レフ」とは、光を反射させる意味を持つ「レフレックス」の略。
レンズから入った光を、このミラーで反射させてファインダーに映し出す構造になっています。
以下の図は、レンズを通して入った光がカメラ内のミラーに反射して、ファインダーに映し出されるまでのイメージです。
ご覧の通り、一眼レフは、レンズを通して入った光がそのままファインダーに映し出されるのです。
【参考】過去には二眼レフもあった! フィルムカメラの時代、右のカメラのようにレンズがふたつ付いた二眼レフもありました。 こちらは撮影用のレンズとファインダー用のレンズが別々についているもので、1800年代に登場した歴史あるカメラですが、一眼レフの登場はじめ、その後のカメラの進化に伴い衰退し、姿を消しました。 |
ミラーレス一眼
一眼レフから、カメラ内のミラーを取り除いたのがミラーレス一眼です。
ミラーがない分、カメラ本体の薄型軽量化が実現でき、液晶表示の電子ファインダーも特徴のひとつ。
一眼レフのようにカメラ内で光を反射させる必要がないため、「レフ」の名称も付きません。
ミラーレスは、これからの時代の一眼の主流になりつつあります。
スマホカメラと一眼レフのメリット・デメリット
スマホカメラ・一眼レフともに、とても完成度が高い高性能のカメラですが、当然ながらメリットとデメリットがあります。
でも、それぞれの特徴を理解しておくことで両者を使い分けながら楽しむことができます。
以下の表は、スマホカメラのメリットとデメリットです。
メリット | デメリット |
スマホならではの手軽さ | バッテリーの消耗が早い |
すぐに出して撮れる使いやすさ | タッチ操作のため、撮影しずらい |
すぐにSNSにシェアできる | カメラと違い、拡張性に乏しい |
スマホは常に持ち歩く場合が多いので、すぐに出して撮れるのは最大のメリット。
撮った画像を、すぐにSNSに共有できるのもスマホの強みです。
一方で、スマホカメラ最大のデメリットはバッテリーの消耗の早さ。
スマホの中でもカメラは特にバッテリーを消耗するため、たくさんの撮影をする時は、あらかじめ外部充電器の携行をおすすめします。
続いて、一眼レフのメリット・デメリットです。
メリット | デメリット |
レンズが交換できる | 重くて大きい |
高画質 | 高価格 |
アクセサリーが豊富で拡張性がある | 操作が複雑 |
一眼レフといえば、最大のメリットはレンズ交換ができること。大型のイメージセンサーと高性能レンズの組み合わせで、スマホとは比べ物にならない高画質を実現します。
一方で、重くて大きいためスマホのような手軽さはありません。また高価格でもあるので、どんな写真を撮るのか、自分の撮影スタイルに合わせた機種を選ぶとよいでしょう。
今は、はじめて一眼レフを使う人向けの入門機でも、十分にプロでも使えそうな高画質の写真を撮ることができます!
スマホカメラとデジカメの使い分けは?
日常生活の中で、気軽に使うのであればスマホカメラをオススメします。
特に最近のスマホカメラの技術の進歩は素晴らしいもので、プリントアウトしても高画質の写真が得られます。
それでも、スマホカメラではもの足りず、さらに高画質で自分のイメージ通りの写真が撮りたい人はデジカメを選択すれば良いでしょう。
以下の表を参考にご検討ください。
スマホカメラに向いている人 | デジカメ一眼レフに向いている人 |
・気軽に写真が撮りたい人 ・SNSに投稿したい人 ・アプリで画像加工するのが好きな人 | ・高画質にこだわる人 ・自分のイメージ通りに撮りたい人 ・レンズ交換しながら写真を楽しみたい人 |
初心者にも使いやすいミラーレス一眼
ここでは、初心者にも扱いやすい最新ミラーレス一眼カメラの、ほんの一部をご紹介します。
(2024年9月現在)
パナソニック LUMIX S5 手ブレ補正能力にすぐれ、動きながらの撮影でも手ブレのリスクが軽減。 | |
キヤノン EOS R10 小型軽量で持ち歩きもラクラク。タッチパネル操作による使いやすさも魅力の入門機。 | |
ニコン Zfc 往年のニコンのフィルム一眼レフを彷彿させるデザインながらも操作性は最先端。 手軽に本格的な撮影が簡単に楽しめます。 | |
オリンパス OM-5 小型軽量ながら防塵・防滴・耐低温にすぐれているため、シーンを問わず過酷な条件下でも 簡単に撮影ができます。 |
おわりに
以上、スマホカメラとデジカメについての違いや比較をご紹介しましたが、スマホ・デジカメ共に初心者向けから上級者向けまで多くの機種があります。
これから、どんなカメラを選べばよいのか?この記事が、少しでもお役に立てれば幸いです。
写真は、楽しむことが一番!
皆さんの、これからの写真ライフが、より楽しく充実したものになることを心から願っています。
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