街を歩いていると多くのカレー専門店を目にします。インドカレー、スパイスカレー、欧風カレーなどさまざま。
そんな中、密かにカレー好きの間で注目されているのが、昭和時代の半ばまで一般的だった黄色いカレー。
「ライスカレー」と呼ばれ、長く日本のカレーの定番でしたが時代が移り行く中、多種多様なカレーの登場によって、いつの間にか黄色いカレーを見かけることがなくなりました。
今回は、多くの日本人からライスカレーとして愛された黄色いカレーのお話です。
黄色いカレーの特徴
昭和初期から戦後の高度経済成長期前後の時代、まだ現在のような固形ルウはなく家庭のカレーといえばカレー粉を使い、とろみは小麦粉で加減を調整していました。
現在のカレーと違い、スパイスの風味は控えめで肉や野菜の甘みを感じるマイルドな味わいなのが特徴です。
また、小麦粉の代わりに片栗粉を使う場合もあり、これも各家庭やお店によって違いが見られました。
もうひとつ、好みで使われていた調味料としてウスターソースがあり、カレーにソースをかけるスタイルもこの時代の日常的なもの。
今でも、カレーにソースをかける食べ方を好む人は一定数、見受けられます。
カレーライスとライスカレーの違い
「カレーライス」と「ライスカレー」。どちらも同じように見えますが、実はこの2つには、しっかりとした違いがあるのです!
カレーライスとは?
現在、もっとも一般的な呼び方がカレーライスですが、実はカレーライスとはカレーとライスが別々に出されるもので、上に掲載した写真がカレーライス。
このスタイルは、レストランで提供されるような高級なカレーに多く庶民的なライスカレーに対してカレーライスは高級な位置づけでした。
ライスカレーとは?
昭和時代の半ば頃までは、ライスカレーの呼び名が一般的でした。
ライスカレーとは、お皿に盛られたライスにカレーがかけられているもの。つまり普段、私たちが日常的に食べているカレーの大部分はライスカレーということになりますが、時代の変化によって現在、ライスカレーの呼び名は使われることはなくなりました。
黄色いカレーはどこで食べることができる?
今や、少なくなった黄色いカレーを提供するお店ですが、実はまだまだあるのです!
黄色いカレーを出すお店として、もっとも有名なのが新潟市中央区「万代シティバスセンター」内にある立ち食いそば店「万代そば」。
万代そばの黄色いカレーは「バスセンターのカレー」として親しまれ、メディアでも度々紹介されるほどで、このカレーを求めて県外からも多くの人が訪れます。
新潟以外でも、少ないながら蕎麦店や食堂で黄色いカレーを提供するお店があります。
中でも有名なのが、東京都台東区にある「東嶋屋」。こちらも新潟のバスセンターのカレー同様に昔ながらの黄色いカレーを提供しており、その名も「ライスカレー」。
ライスカレーと一緒に出されるのは、なんとコップの水に入ったスプーンとウスターソース!
お店の昭和感が満載なサービスがたまりません!
しかも、通常のカレーライスとは区別しており、注文を受けてから1食分ずつ個別に作るため、提供までに20分ほど時間がかかります。
まとめ
今や国内のみならず、世界中の有名なカレーを気軽に楽める時代になりましたが、そんな中、これまで日本の食文化の一部として親しまれてきたライスカレー。
そのシンプルでやさしい味わいには、これからも愛され続けるであろう魅力を十分感じます。
各地のご当地カレーはじめ、新進気鋭のシェフが展開する質の高いカレー専門店も増え続ける中、日本カレーの財産ともいえる黄色いライスカレーも次の世代へと受け継いでほしいと願うばかりです。
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